クレサラ対協がオンライン賭博問題に関する意見書を提出しました。

2024-05-18

当会の関連団体である「全国クレサラ・生活再建問題対策協議会」が,オンラインカジノ問題について,被害防止などの対策強化を求める意見書を提出しました。以下,意見書の全文です。



内閣府ギャンブル等依存症対策推進関係者会議 御中
内閣府消費者委員会 御中
消費者庁 御中
農林水産省 生産局畜産部競馬監督課 御中
国土交通省海事局総務課 御中
経済産業省製造産業局 車両室 御中
総務省自治財政局 御中
文部科学省スポーツ・青少年局 企画・体育課 御中
警察庁 御中
都道府県知事 各位

全国クレサラ・生活再建問題対策協議会
代表幹事   新里宏二
依存症問題対策全国会議
代      表      加藤修


オンラインギャンブル被害の防止に関する意見書


2024年5月2日


意見の趣旨
1   違法オンラインギャンブルについて、取締りを強化し、必要な法改正を行なうこと
2   合法オンラインギャンブルについて、完全禁止、あるいは、厳格な規制を導入すること

意見の理由
1   はじめに
近年、インターネット通信の発達により、違法合法を問わず、オンラインギャンブルが広く利用されるようになっています。 そして、メジャーリーガーの元通訳の違法スポーツ賭博が話題になっているように、オンラインギャンブルにハマって、多額の負債を負い、家族、友人、同僚などとの人間関係を損なうなどの問題を生じている例も少なからずみられます。 オンラインギャンブルは、いつでもどこでも手軽に行うことができるという性質から「金銭」を賭けているという現実感に乏しく、従来の対面型ギャンブルに比較して、ごく短期間の間にギャンブル依存状態に陥り、極めて高額の経済的損失を生じるものとなっています。 その被害は、かつてないほど深刻なものといえます。 にもかかわらず、我が国のオンラインギャンブル対策は、ほとんど存在しません。そのため、これらギャンブルサービスの利用者(及びその家族)は、危険極まりないサービスに無防備にさらされており、その消費者としての権利が侵害されているということもできます。 そこで、私たちは、これらオンラインギャンブルについて、次のような対策を求めます。

2   違法オンラインギャンブルに対して
違法なオンラインギャンブルについては、それが違法であることの市民的啓発の強化はもちろんのこと、徹底的な取締り、摘発が必要です。 海外にサーバーを置いて日本国内からアクセスさせているギャンブル事業者についても、その実行行為の一部が日本国内で行なわれている以上、刑法上の賭博関連犯罪が成立するものであり、これらに対する捜査、摘発も強化すべきです。 一方、ギャンブル事業者の摘発に関して、刑法理論上の疑義が呈されているということもあるようです。理論上の疑義の解消のため、また、ギャンブル事業者の摘発の容易化を実現するため、必要な法改正も行なうべきです。 3   合法オンラインギャンブルについて 合法のオンラインギャンブル、すなわち、スマートフォンアプリなどを利用した公営ギャンブルは、近年急拡大しています。 しかも、口座の紐づけ、クレジットカード決済、キャッシュレス決済、キャリア決済などの簡易な決済方法の採用と相まって、事実上、借財によるギャンブルが可能となっており、公営ギャンブルに求められる高度の公益性からすれば、こうした現状はとうてい容認できません。 ギャンブルを容易にできるものでないようにすることが、ギャンブル依存対策のかなめです。 であれば、こうした非対面型ギャンブルは完全に禁止されるべきです。 仮に、オンラインギャンブルを完全に禁止することができないとしても、営業時間の制限、借財を有する一定の者の利用停止、賭け金額の上限設定義務化などの厳格なギャンブル規制の導入をすべきです。

以   上